聲の形 大今良時著 講談社刊
聴覚に障害を持つ表紙右の少女と、表紙左のどこにでもいるような悪ガキ少年の触れ合いを描く。
こう書くとハートウォームな山本おさむ氏の描くマンガのようにも感じられるかもしれないが、既刊の1巻だけを
読むとファンタジーなど微塵も無い、悪意に満ちあふれているとも言える現実社会の状況に驚かされることになる。
頭の悪い子供、無関心な教師、利己的な父兄、事なかれな学校に意志を伝えることもままならず、立ち向かう術も
ないまま翻弄されていく主人公の少女は、本当に犠牲者といえるだろう。掲載誌での最新の連載は読んでいないが、
既刊の1巻からは言いようのない胸くその悪さしか感じられない。ただ、継続して読んでおきたいとは思う。
意志を伝える繋がりで、
蒼き鋼のアルペジオ Ark Performance著 少年画報社刊
地球温暖化により海面が上昇した世界に第二次世界大戦中の軍艦が突然出現する。その軍艦群と人類の戦いの物語。
荒唐無稽な世界観を唐突に提示されるため、描かれる艦船等が実際に存在した物と同名だったりするため、スッと
入り込めないと混乱もするかもしれない。史実に必要以上に拘泥せずに読み進めていけばとても面白いストーリー。
大型の軍艦は「メンタルモデル」と呼ばれるヒトガタの容姿を獲得し、人類ともコミュニケーションを取る。
メンタルモデル同士では共同戦術ネットワークと呼ばれるシステムを介して意志や気持ち、情報を伝え合っている。
今後どう展開するか楽しみなコミック。
上記文章中に「障害」と書き記しています。
昨今さまざまな場面において「障がい」または「障碍」と書き換えを行う場面を散見します。私の個人的な考え方として、
文字表記の書き換えによって問題の解決が達成できるのであれば賛同しますが、問題の解決に当たっては文字表記を
変えるよりも有効なリソースを提供すべきと考えております。また過去から現在に至るまで長らく使われ、一般的な
表記として定着している表現を、何らかの意図をもって声高に変えようとする動きにも賛同できなかったりします。
その上で、このように書き換えを要求する人たちの常套句である差別的な意味合いをもっての表記でないことを記します。
検討課題
・イヤホンしたまま出歩かない
・艦船モデルに挑戦してみる
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